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風水庭園

そもそも風水と庭園の関係は平安時代末期に書かれたという「作庭記」に見ることができます。この中に風水で使われる「四神具足の地」という文言が確認でき、中国(唐)から渡来した風水思想が造園に取り入れられていることが明らかです。
 「作庭記」の中から風水思想に関係する部分を紹介します。

樹事
 人の居所の四方に木を植えて、四神具足の地となすべき事。経云、家より東に流水あるを青竜とす。流水もしなければ柳九本を植えて青竜の代とす。西に大道あるを西虎とす。もしその大道なければ、楸(ひさぎ)七本を植えて白虎の代とす。南側に池あるを朱雀とす。 もしその池なければ桂七本植えて朱雀の代とす。北後に岳(おか)あるを玄武とす。もしその岳なければ檜三本植えて玄武の代とす。

遺水事
 先水の水上(みなかみ)の方角を定むべし。経云(経いう)、東より南へむかえて西へ流すを順流とす。しかれば、東より西に流す、常事化。又東方よりいだして、舎屋の下を通して未申方へ出す。最吉也。
青竜の水をもちて、もろもろの悪気を白虎の道にあらいだすゆえなり。その家のあるじ厄気悪瘡の病いなくして身心安楽寿命長遠なるべしといへり。

樹事というのは、川や道路、池の代わりを樹木によって行うという考え方です。また、遺水事とは、庭園内に小川を流すなら、東から西の方へ向けて流すのが風水の原則にかなっているということなのです。

【大名庭園に見る風水の景観】
風水庭園と関係すると思われる大名庭園を見つけました。風水庭園そのものではありませんが、東京の小石川後楽園です。ここは、水戸藩の開祖 徳川頼房が作り始め、二代藩主徳川光圀(水戸黄門)が完成させたものです。これには中国の儒学者 朱舜水が指導したといわれています。彼は清朝の初め(1659年)に来日し、徳川光圀の師となったそうで、中国流の造園技術も持っていたようです。庭園のスタイルは回遊式築山泉水庭園。 中国風のものを各所に取り入れたとされていますが、園内を巡ると、あちこちに風水らしき片鱗を見ることができます。
始めの写真は「小盧山」。中国の名称地である「盧山」にちなんで名付けられました。おだやかなイメージを与えています。

これは「白糸の滝」です。いく筋もの流れがあって、その先がどうなっているのか興味を持ちます。
 

変わった場所を発見しました。ここは、「八卦堂跡」です。徳川光圀が三代将軍 徳川家光から「文昌星像」を授かり、ここに八卦堂を建てて祀ったといわれています。空襲に遭い焼失したため、礎石しか残っていませんが、八角形の建物であったことが確認できます。 八卦というのは天地自然を表していますが、この中に(中国の)学問の神様を祀ったということは興味深いものです。
 

これは園内の中心部にある「大泉水」です。真ん中に島を配置していますが、「蓬莱島」と名付けられています。島の先に大きな岩がありますが、これは亀の頭だそうです。不老長寿を願って作られたものでしょう。
 

【風水庭園の要素】
 中国庭園や日本庭園と違った、風水庭園の要素を5つにまとめました。
 @気が留まる造形であること
 A陰陽や八卦を取り入れている
 B風水で良いとされる植樹を行うこと
 C水を財の方位に配置すること
 D吉日を選んで着工

 多くの人々は開運を願うことから、「形から見た縁起の良さ」や「気の良い空間」「方位の心理的効果」を創造することが期待されるものと考えます。  

【現代の風水庭園】
 事例1. 西条庭園(東広島市八本松町)
叶シ条庭園の本田社長と一緒に企画したのが本格的な「風水庭園」です。
新たに西向きの坐山を造成。玄武を中心に、右手を白虎、左手を青龍、前方の広場を朱雀と位置づけています。真ん中の太極図を人工の龍穴(パワースポット)として配置。龍穴の地中には竹炭が90kg埋設しています。その上に白石と黒石を置いて陰と陽が回転しているように見せています。また、龍穴を坐山が抱くようにして位置されています。坐山の後方には祖山をイメージする三角形の石像があります。


凹形となっている坐山の前方に龍穴(パワースポット)を作りました。龍穴の周囲では良い気を感じることができます。

白と黒の石で陰陽のマークとしました。この下に80kgの竹炭を埋設しています。

坐山の背後に祖山の代わりの石仏を配置しました。気が発生する起点としてのシンボルとしたものです。

事例2.オタフクソース Wood Egg お好み焼き館(広島市)
お好みソースではトップメーカーの同社が研修と視察の目的で建設した地上5階建ての建物です。2009年に玄空風水により風水鑑定し、格局が「上山下水」であったことから、建物の東北方位に山を、西南方位に水を配置することを提案しました。同年、5月に造園業者さんの工事に協力して風水庭園が完成しました。

山の代わりとした岩の下には120kgもの炭素材を埋設しています。施工前と施工後に電位差測定を行い、2倍以上の電子量増加が確認できました。

土を被せた上に、「龍のひげ」を植えて緑化しました。祖山からの龍脈をイメージしています。岩は向原産で、手をかざすと気が出ているのを感じます。

西南方位には四国の石を組み合わせて、山から滝が落ちているようにしました。この水により、癒しの効果もあるようです。

事例3. S邸(広島市)
120坪という広い庭に風水の造形を考案しました。真ん中に龍穴とするため、水晶の細石を大量に埋設。その次に9つの石を配置しているところです。この石は石材置き場から探してきたものです。左手で石を置く位置を指示しているのが筆者です。


羅盤で八方位をぴったりと合わせて八卦のデザインにしています。

周囲には「龍のひげ」を植えました。

半年くらい経過すると美しい緑色になります。
このほか、庭園の西北と東南の方位を選び、それぞれ120kgの炭素材を埋設。上部に青石と赤石を置き陽と陰のシンボルとしました。また、方位に合わせた植栽も実施。


まだまだ風水庭園の実績は少ないのですが、施主さんからは、「手をかざすと気を感じる」とか「癒される」「運が良くなる感じがする」といった意見を頂いております。風水庭園は2つと同じものはなく、庭園ごとに造形を考案する必要があって楽しいものです。今後は小さな庭園や屋上緑化の一部にも風水庭園を導入したいと考えています。

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